村上春樹氏の受賞の可能性が注目されるノーベル文学賞。スウェーデンアカデミー会員の家族によるセクハラ・暴行問題を受け、2018年は選考が見送られた。今後の方針について結論は出ていないが、再開されれば2年分を考慮して受賞者が決まる可能性がある。
村上氏のノーベル賞については、日本生まれの英国人、カズオ・イシグロ氏が17年に受賞したことが影響するとの見方がある。文学賞は文学性だけでなく、地域や民族、政治性なども考慮されてきた。イシグロ氏が日系であることが、選考に微妙な影響を与えるかもしれない。
18年にはスウェーデンの文化人有志による「ニューアカデミー文学賞」が1年限定で創設され、フランスのマリーズ・コンデ氏が選ばれた。4人の最終候補者の中には村上氏が含まれており(後に辞退)、有力な候補の一人であることには間違いない。
これまで日本人受賞者がゼロの経済学賞は、清滝信宏・米プリンストン大教授が候補だ。
自然科学3賞での日本人受賞者の可能性はどうか。自然科学は日本科学未来館が毎年、受賞者を予想している。同館の鈴木毅・科学コミュニケーターは、「物理学賞は宇宙物理学とそれ以外の研究が交互に受賞している。18年はレーザーの研究が受賞したので、19年は宇宙物理学」と予想する。
その筆頭は太陽系外惑星を発見したスイスの天文学者ミシェル・マイヨール氏。同館の詫摩雅子・科学コミュニケーション専門主任によると、インフレーション理論という宇宙誕生の仕組みを解明した佐藤勝彦・東大名誉教授も可能性があるという。
ノーベル賞では、選考委員会が受賞にふさわしい研究の前に、その前提となる研究に授賞することがある。詫摩氏は「18年の受賞テーマとなったパルスレーザーは“瞬間の物理学”を開いた。きわめて短い時間を計測できる光格子時計を開発した香取秀俊・東大教授の受賞につながる可能性がある」と指摘する。
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