「1バレル=80ドルもありえる」といわれる高水準を維持してきたWTI原油価格。10月3日には76.41ドルをつけたが、11月後半には50ドル台で推移するなど下落が続いている。

2018年前半の原油高を誘導してきたのは、石油輸出国機構(OPEC)と、ロシアなど非加盟の産油国による「OPECプラス」が、17年から実施している協調減産だ。足元の原油価格を踏まえて生産量を調整してきた。
もう一つ原油価格押し上げの要因となったのが、米国によるイラン産原油への制裁措置だ。イランの原油生産量は日量498万バレル。世界の生産量の約5%を占める。制裁の行方が価格の上昇圧力となってきた。
米国のトランプ大統領は、こうしたOPECの減産をツイッターで激しく牽制。ガソリン価格高騰は自動車利用の多い米国民にとって生活に直結する問題だ。国民がガソリン高と感じる目安は1ガロン(約3.8リットル)=3ドルといわれている。ガソリン価格が高いままであれば、大統領自身の支持率に跳ね返るおそれがある。
だが10月頃から米国の在庫が積み上がり、原油価格は下落基調に転じた。さらに11月5日に発動されたイランへの制裁で日本、中国、韓国が一部免除扱いに。米国がイラン生産分の穴埋めをするようサウジに増産を働きかけていたことも相まって、余剰感から原油価格が下落することになった。
加えて、需要が想定より伸び悩んでいることも、要因の一つだ。住友商事グローバルリサーチの本間隆行チーフエコノミストは「石油・ガスの価格は供給側のリスクを織り込んで上昇していたが、商品市場で18年後半から産業金属や農産物が下落している」と指摘。「新興国経済の減速など需要サイドの不透明感が高まっている」と分析する。
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