世界的な女優として知られる范冰冰。そして国際社会からの注目度も高いICPO総裁の孟宏偉。
もはや中国の枠を超え、世界的に著名な存在であった二人が、唐突に表舞台から姿を消し、後に中国当局からそれぞれ追及を受けていたことが明らかになった──。
そんな中国式の事件に、世界の人々があらためて「異質さ」を実感したことは間違いない。久々に海外メディアがこぞって報じる“中国ネタ”となった。
だが、このおかしなニュースを取り上げた各国の報道の中にも、同じように違和感をぬぐえない表現がちらほら交じっていたことも見逃すことはできない。
王岐山を狙った告発? 脱税事件の真相は
たとえば、今年6月に突如消息を絶った范冰冰の事件では、最初から最後まで脱税の問題なのに、「公安の持つ“招待所(簡易宿泊所)”に監禁されている」とか、揚げ句の果ては「軍を巻き込んだ権力闘争だ」という話までがまことしやかに飛び交った。
軍の話はさておき、公安の招待所かといわれた所は結局高級リゾートホテルだったという落ちには首をかしげざるをえなかった。
范冰冰の脱税疑惑の発覚は、元CCTV(中国国営中央テレビ)の人気キャスター・崔永元が、5月末に芸能界にはびこる秘密契約をネット上で暴露したことがきっかけだ。だが、崔の本来のターゲットは彼女の背後にいる、エンターテインメント産業に大きな影響力を持つ映画配給会社・華誼兄弟ではないかといわれている。
崔は彼らが作った2003年公開の『手機(携帯電話)』という不倫映画のモデルだといううわさに悩まされてきた。その続編を作る計画が持ち上がったことに腹を立てた告発だった。
習近平国家主席の腹心・王岐山国家副主席を狙った告発だなどという解説もまことしやかになされた。ただそれも、後に税務当局の関係者が処分された流れから見ると誤りだろう。
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