検察が摘発した大手発電機器メーカー三菱日立パワーシステムズ(以下MHPS)の贈収賄。この対応をめぐって見過ごせない事態が起きている。
東京地方検察庁の発表によれば、MHPSがタイで手掛ける火力発電所工事において、便宜を図ってもらうため、地元の公務員に3900万円相当の現金を渡した、というもの。
日本国内での公務員への贈収賄は刑法で、海外現地公務員への贈賄は不正競争防止法18条でそれぞれ禁止されている。1997年にOECDで「国際商取引における外国公務員に対する贈賄の防止に関する条約」が採択されたことを受け、日本でも時間をかけて法整備が進められてきた。
ただ、収賄側が海外の公務員であるため、外務省を通じて現地の捜査当局に協力を求めなければならず、先方に相応のメリットがなければ協力は得られない。そのため、摘発の事例は過去4件しかない。

5件目となった今回、東京地検特別捜査部は6月から導入された日本版司法取引を初めて適用。元取締役、元執行役員、担当部署の部長の計3人を在宅起訴する一方、現地の従業員と法人であるMHPSについては、内偵捜査に協力した見返りとして不起訴とした。
MHPSによれば、2015年に内部通報によって本件を把握し、社内外の調査を経て地検に報告したという。今年6月に地検から司法取引を打診され、「弊社が応じるか否かに関係なく、容疑者3人の処分は変わらないと言われたので応じた」(会社側)という。
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