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ライフ #人が集まる街 逃げる街

関西の玄関口が迎える新時代 伊丹市(兵庫県)

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  • 牧野 知弘 不動産事業プロデューサー

兵庫県伊丹市は兵庫県の南東部に位置する面積約25平方キロメートル、人口約19.7万人、大阪都心部に通うサラリーマンが多数住むベッドタウンである。市内にはJR福知山線と阪急伊丹線が南北を縦断。JR伊丹駅から大阪駅へは13分、始発の阪急伊丹駅から梅田駅までは20分と、大阪中心部へのアクセスは良好だ。

伊丹の名は全国的には「空港の街」として知られる。大阪国際空港、別称「伊丹空港」の滑走路の大半がこの伊丹市に属し、1960~70年代には空港を離着陸する航空機による「騒音公害の街」として、たびたびメディアに登場してきた歴史を持つ。

73年には、伊丹市は「大阪国際空港撤去宣言都市」を標榜。被害が増すばかりの市民を騒音から守るために、空港撤去を要求する事態にまで発展した。

廃止論など紆余曲折を経た大阪国際空港(伊丹空港)。街の顔として再整備中だ(撮影:セスナ172)

こうした「騒音公害の街」の伊丹市に変化が訪れたのは94年。大阪湾泉州沖5キロメートルの人工島での関西国際空港の開港がきっかけだった。同空港は日本初の会社管理空港。空港建設と開港後の運営管理業務を官民で設立された政府指定の特殊会社、関西国際空港が担った。同社は2012年には政府全額出資の特殊会社、新関西国際空港に改組された。

同空港の誕生によって、伊丹市の大阪国際空港は「国際空港」の名を有するものの、国際線の定期就航がチャーター便を除いてなくなり、国内専用空港にその位置づけが変容した。国内専用となることで、地元経済への影響が懸念され、空港そのものの廃止を検討する動きまで表面化した。

そうした中、航空機の騒音が減るため、空港機能の縮小・廃止を歓迎する声が出た一方、逆の意見もあった。すでに航空機の騒音は「廃止宣言」が出た70年代に比べ、大幅に改善されていた。国土交通省の調べによれば、60年代後半~70年代の小型飛行機「ボーイング727-200」型機の騒音は90デシベルという高水準だったが、現代の主力機「A320」では70デシベル程度に改善されたという。こうした技術革新や空港周辺の経済活動を維持、発展させようという考えから、伊丹市は07年4月に「大阪国際空港と共生する都市宣言」を議会で採択。70年代の撤去方針と真逆の施策を打ち出した。空港を経済活性化のツールとして活用する方向へ舵を切ったのだ。

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