2005年に中部地方の国際空港として鳴り物入りで開港したのが中部国際空港(愛称「セントレア」)だ。伊勢湾上に浮かぶ人工島に建設された空港であり、空港では珍しく公募で愛称を決めたことで全国の注目を集めた。セントレアとは英語で「中部」を意味するcentralと「空港」を意味するairportを合わせた造語だ。
セントレアが位置するのが愛知県常滑(とこなめ)市である。同市の常滑焼は日本の代表的な焼き物として知られる。瀬戸焼、越前焼、信楽焼、丹波焼、備前焼と並ぶ六古窯の一つ。常滑の「常」は「床」を意味している。「床=地盤」が「滑」らかである土地、つまり粘土層などが発達し、窯業に向いている土地だったことがうかがえる。
常滑市内では、街の塀に色彩豊かな焼き物が埋め込まれた「やきもの散歩道」のほか、「とこにゃん」と呼ばれる高さ3.8メートル、幅6.3メートルの巨大な焼き物の招き猫が鎮座する「とこなめ招き猫通り」などが観光客を迎える。
古くから焼き物の街として栄えた常滑だが、その窯業の衰退が続いたことに加え、地元創業の住宅設備メーカー、INAX(現LIXILグループ)の本社工場が撤退したことなどを受け、街は活気を失い、03年に4万9000人台にまで人口が減少した。
同市に新しい息吹を送り込んだのがセントレアの開港だった。名古屋市中心部からのアクセス確保のため名古屋鉄道空港線が、さらに名古屋からセントレアに至る道路のセントレアラインが開通。交通網の充実と同時に市内にはニュータウンが誕生し、人口は5万7000人台にまで回復した。
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