地方に住んでいれば、東京の「清澄白河」と聞いても、ピンとくる人は少ないのではないか。清澄白河は都営地下鉄大江戸線と東京メトロ半蔵門線が交差する駅の名で、地名ではない。駅周辺には清澄や白河、三好、平野、深川といった江戸時代の下町情緒あふれる街がある。このエリアは「深川」とも呼ばれる。
2000年に都営大江戸線の清澄白河駅ができるまで、周辺は陸の孤島といえるエリアだった。そこから都心部に出るには清澄通りを北に進み、小名木川を越えて、都営新宿線の森下駅にまで出て、そこから地下鉄に乗る。もしくは南に下って東京メトロ東西線の門前仲町駅から同じく地下鉄に乗るしかなかった。
都営大江戸線の開通で交通の利便性は向上したが、それでも大江戸線が東京を環状に走る地下鉄であるため、都心に出るにはやや難が残った。その状況が改善したのは、03年に東京メトロ半蔵門線の清澄白河駅が開業したことがきっかけだった。都心オフィス街の中心地である大手町駅までわずか3駅で結ばれるなど、交通の利便性が飛躍的に向上したのだ。
清澄白河駅の利用者は年々増加した。03年の1日当たり平均乗降人員は、都営地下鉄が1万8690人、東京メトロが1万9657人であったの対し、16年にはそれぞれ4万1032人、5万4201人へと、いずれも2倍以上に膨らんでいる。
都心へのアクセス向上で、都心居住志向が強い30代のミレニアル世代など若年層が住むのにはうってつけの街となった。その結果、坪単価が400万円以上のタワーマンションが林立するなど街は変貌を遂げていった。
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