早朝、自宅から駅に向かうタクシーで、運転手に「どちらにお出掛けですか」と尋ねられた。いわきに日帰りでと伝えると、「ボランティアですか」と返される。運転手は偶然にも南相馬の出身だった。
福島県いわき市に1日1組限定のフランス料理店がある。2017年11月、東京・丸の内で開かれた農林水産省主催の食と農業をテーマにしたイベントで、このフランス料理店「HAGI」の萩春朋シェフと知り合いになり、18年4月に訪れることになった。
2名から最大8名まで予約を受け付けるということなので、同行者を募り、計8名で訪れた。そのうち5名は青春18きっぷで日帰りという強行軍だ。
スパリゾートハワイアンズのあるJR湯本駅で下車。そこからレンタカーで目指したのは白水阿弥陀堂(しらみずあみだどう)。福島県で唯一の国宝建造物は、三方を山に囲まれた典型的な浄土式庭園。雨で煙っていたこともあり、幻想的な空気が流れている。
途中、炭鉱労働者用の住宅や震災後の仮設住宅などを見る。炭鉱労働者用の住宅はすでに老朽化が進み、取り壊し直前だったのはわかるが、5月に取り壊される予定の仮設住宅は真新しく、転用のしようもあるように感じた。
シェフとともに畑へ
HAGIはいわき市郊外の住宅地にあった。萩シェフの実家に隣接したレストランでは、料理はシェフが、サービスは夫人が受け持つ。もともと梨農家だったこの家の周りには梨畑以外何もなかったが、その後宅地化が進んだそうだ。
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