日本郵政と銀行界の対立が再燃している。
今回の争点は、ゆうちょ銀行の通常貯金の預入限度額を再度引き上げるべきか否か。限度額は2016年4月に1000万円から1300万円に引き上げられている。今年3月に郵政民営化委員会でヒアリングと議論が始まった。
郵政側は限度額撤廃を望む。大きな理由は、顧客が退職金などを一括で預けられるといった利便性の向上。そして、限度額を超えた顧客に毎月1万通のはがきを出し時には訪問も行っているという事務負担の軽減だ。
地銀との連携に溝も
銀行界は反対の立場を取る。全国銀行協会(全銀協)や全国地方銀行協会(地銀協)は、「限度額の緩和は、地域金融機関からゆうちょ銀への預金シフトを招き、すでに厳しい経営がさらに悪化しかねない」「ゆうちょ銀との連携・協調の流れを阻害する」などと猛反発している。
一方で、日本郵政の長門正貢社長は「融資もできない、証券子会社も海外拠点もない銀行への預金シフトが本当に起きるのか」などと反論する。
限度額引き上げのメリットは見えにくい。約1億2000万人いるゆうちょ銀の通常貯金顧客数からすると、限度額超過に伴う事務手続きは大きな負担とは考えにくい。
運用難の現在、貯金を集めるメリットも薄い。リスク資産への運用を増やしたため、14年3月末に約57%だった自己資本比率は17年9月末に20%弱まで低下。資産規模は年々増大しているが、運用利ザヤの縮小が続き、国内の資金利益は右肩下がりだ。
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