高齢者と若年層の世代間格差を是正する方策の1つとして、選挙制度の改革を訴えているのが慶応義塾大学の土居丈朗教授だ。
日本は予想以上に速いスピードで少子化が進行し、今の仕組みのままでも若い世代の負担が増えてしまう(社会保障制度の)構造になっている。
医療や介護の分野で今すぐに重大な支障が起きるわけではない。だからといって、将来も安泰だとはいえない点が悩ましい。直ちに手を打っておかないと、今のような医療や介護サービスを20〜30年後には享受できなくなるかもしれない。
ただ、その実感が伴わないせいで、問題の本質的な解決にはつながっていない。ゆえに世代間格差の問題がずっと棚上げされたままになっている。
「いま保険料を払っても、将来年金はほとんどもらえない」という年金不信は世代間格差の問題の一端を予兆的に表している。しかし、この考えは部分的には間違っている。年金は受け取れる。親や祖父母の世代に比べ、払った分との見合いが少ないという点は当たっているが、それほどミゼラブル(悲惨)でもない。一方で、医療保険は、現役世代が支払う保険料の約半分が高齢者向けの拠出金に充当される構図で、多くの人が気づいていないが、その世代間格差は深刻だ。
若い世代は事実上不戦敗
こうした世代間格差を是正するには、若い世代の声を政治的にもっと反映させるような仕組みに変える必要がある。世代間格差が理解されていながら変えられないのは、政治の力学がそうなっているからだ。
今の選挙は地域ごとの区切りがあるだけで、投票者の年齢構成を見ると、投票率は高齢者のほうが高い。いくら若い人がこう変えてほしいと訴えても残念ながら少数派で、多数派は高齢者の意見になっている。
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