人口減少は、右肩上がりで伸び続けてきた住宅市場を直撃しそうだ。
野村総合研究所が2017年6月に公表した試算によると、13年時点で820万戸、13.5%だった空き家数と空き家率は、このままだと33年に2166万戸、30%を超える。
空き家率は住宅のストックと新設住宅の供給数、除却数と世帯数で決まる。空き家300万戸を取り壊し、20年以降に総量規制で住宅ストックを増加させなければ、33年時点の空き家率は20%を下回る見通しだという。

ただし、総量規制や除却はそれほど簡単ではない。同社の榊原渉・上席コンサルタントは「空き家対策特別措置法ができたとはいえ、特定空き家に認定されないかぎり、空き家のままのほうが固定資産税が減免される。古い家を取り壊して付加価値を生むならいいが、今は取り壊すインセンティブがまったくない」と話す。
そこで榊原氏が提案するのが、住宅を1戸建築するためには1戸除却することを義務づける「新築権」の導入だ。一種の緩やかな総量規制であり、住宅ストックの増加を抑制できる。
住宅投資は年間17兆円(16年度)に上り、GDP(国内総生産)の約3%を占める。裾野も広く、それを人為的に供給制限することはなかなか難しい。榊原氏は「家を所有することは権利であるだけではなく、責任も伴うということ。日本人もこれから少しずつ、こうしたことを考えていかないといけない」と指摘している。
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