2005年にカネボウの繊維事業を買収し、総合繊維メーカーへ構造転換を果たしたセーレン。事業再建の秘訣を川田達男会長に聞いた。
当時、第4分類(再建不能)と産業再生機構に指定されたカネボウを買収することは、「ありえない」と社内外で驚かれ反発も受けた。取引先である繊維メーカー各社からも「カネボウはとても助けられる状態じゃない」「買収なんてやめろ」と言われた。
でも私はチャンスだと思った。かつて通商産業省(現・経済産業省)は合成繊維8社だけに原糸製造をやらせる政策を取っていて、私は「原糸メーカーの機能を持ちたい」と言っただけでおしかりを受けていた。私はカネボウを再建するというよりも、どうしても原糸製造の機能が欲しかった。セーレンは染色の賃加工をなりわいにして100年のDNAがあり、非衣料に転換するには一貫生産が不可欠だった。
カネボウの社員にしてみれば忸怩(じくじ)たる思いがあったはずだ。下請けにカネボウの経営ができるのかという疑問や不安もあったと思う。だからカネボウの労働組合に籍を残したままウチに来た人が多かった。
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