北京の空は青かった。かつては、冬の北京といえば、どんよりと鉛色のガスに覆われ、憂鬱になったものだ。北京市が暖房を石炭から天然ガスに強制的に転換したことで、PM2.5の数値は急激に下がり、2017年12月の訪問時にその効果を感じた。暖房を十分に使えない家庭が出るなどの弊害も耳にするが……。
北京首都国際空港ターミナル3は世界的な建築家ノーマン・フォスター氏が手掛けた。中国の伝統的な色彩である黄色のはりが天井を覆い、龍をイメージさせる傑作だ。その巨大な天井の下、外国人用の入国審査ブース前は長蛇の列である。外国人用のブースは計14あるが、稼働しているのは四つ。この分だと30分は待たされる。
入国審査官を8名増やせば待ち時間は10分に短縮できる。4000億円以上というターミナルの建設費から見れば、この人件費増など知れているが、要はあまり改善する気がないのだろう。こうした状態を放置している空港は世界に数多い。もちろん日本も例外ではない。
毛沢東の専用車両を見学
空港からタクシーで向かったのは中国鉄道博物館東郊館だ。名称どおり北京市の東の外れにあるが、空港から直行するなら都合がよい。
30分ほどで着いた博物館は家族連れやカップルでにぎわっていた。床面積が2万平方メートル。野球のグラウンド2面分相当の体育館のような空間に、約60両の鉄道車両がびっしりと並べられている。
目玉は解放型蒸気機関車の「毛沢東号」と「朱徳号」。国家指導者の名を掲げているが、いずれも1940年代初頭の日本製である。
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