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一帯一路構想は"星座" 過度な期待は禁物

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中国が提唱する、中国と欧州を結ぶ広域経済圏構想「一帯一路」。当初、日本政府や日本企業は警戒感が強かったが、昨年以降、商機を探る動きが高まっている。中国政治が専門の高原明生・東京大学教授に聞いた。

たかはら・あきお●1958年生まれ。東大法学部卒、英サセックス大博士課程修了。中国政治、東アジアの国際関係についてオピニオン活動を積極的に続けている。(撮影:今井康一)

──一帯一路について冷静な視点を持つように発言されています。

一帯一路について考えるときは、概念と具体を分けることが重要だ。私は「一帯一路星座説」を唱えている。実際に星は存在するが、星座は観念として存在するだけ。リアルに存在する星は、すなわち一つひとつのプロジェクトであるが、星と星を結び付けて星座と見なすのは観念の産物だ。アジアインフラ投資銀行(AIIB)の設立も金融面での具体的なプロジェクトとして数えうる。だが一帯一路が全体としてどんな星座かは、誰にもわからない。

中国政府は一帯一路という星座をアピールすることで、人々の関心を集め、外交上・政治上の得点を稼いでいる。だが、外国は星座に幻惑されてはいけない。「改革開放」という言葉と同様のものだ。個々の政策はあるが全体としては定義できず、輪郭があいまい模糊(もこ)としている。星座が魅力的でもそれに実益を期待するのは早計で、それぞれの星に食い込めるかが重要だ。日本企業もそう心得て、過度な期待をしないほうがいい。

──精緻なプランではないと?

スローガンとして人々の関心を引き付け、指導者の権威と権力を高められればよいと考えているはずだ。つまり改革開放といえばトウ小平で、一帯一路といえば習近平となる。一帯一路という概念は、習氏が総書記から退けば消えてしまうのではないか。この概念が登場した背景は、東に向かえば日本や米国と利害が対立するし、かといってTPP(環太平洋経済連携協定)にも加入できないので、西に経済圏を広げ、新しい経済秩序をアピールしたい事情があった。

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