有料会員登録 東洋経済オンラインとは
政治・経済・投資 #マネー潮流

節目を越えたビットコイン市場 ボラティリティの高さが最大の特徴

3分で読める 有料会員限定
  • 木内 登英 野村総合研究所 エグゼクティブ・エコノミスト
木内登英 野村総合研究所 エグゼクティブ・エコノミスト
きうち・たかひで●1987年から野村総合研究所所属。日本経済の分析、ドイツ、米国で欧米の経済分析を担当。2004年野村証券に転籍、07年経済調査部長兼チーフエコノミスト。12年7月から17年7月まで日本銀行政策委員会審議委員、この間独自の視点で提案を行う。17年7月から現職。(撮影:尾形文繁)

仮想通貨のビットコインは、2017年に二つの点で大きな節目を越えた。

第一は、価格が合理的に説明できる水準を大幅に超えたことだ。

ビットコインが持つ唯一の経済的価値は、銀行振り込みなど伝統的な決済手段と比べて、より便利で安い決済手段を提供できることだ。しかし1年間の価格急騰を経て、現在の価格の下では、ビットコインの国内送金手数料は、もはや通常の銀行送金の手数料を大幅に上回っている。

第二は、ビットコインが決済手段ではなく投資対象としての注目度を一気に高め、投資資産の一つとして機関投資家からも認知されるようになったことだ。

投資対象としてのビットコインの最大の特徴は、そのボラティリティ(価格変動率)の高さにある。それはビットコインを決済で使う場合には大きな障害となるが、逆に投資対象としての魅力を高める面がある。ボラティリティが高いことは、投資リスクが高いことを意味する一方で、キャピタルゲイン(売却益)を短期的に稼ぐことが可能なことをも意味している。そのため、ビットコインは、ハイリスク・ハイリターン(高いリスクと高い収益期待の組み合わせ)という投資スタイルを好む投資家にとっては、魅力のある投資対象となっている。

17年10〜11月には、世界のビットコイン取引の4割超を円建てが占め、米ドルを抜いて取引シェアで世界一になった。その取引の中心は個人投資家である。しかし価格高騰が続く中、機関投資家もしだいにビットコイン投資に傾倒し始め、17年にはビットコイン専門のヘッジファンドの数が大幅に増えた。これまで新しい金融商品については、機関投資家が先行して投資を拡大させて価格を押し上げ、個人投資家が遅れて参入する頃には価格はすでにピーク、というのが一般的な傾向だった。だが、ビットコインについては、機関投資家が個人投資家に続く構図となっている。

こちらの記事もおすすめ

あなたにおすすめ

政治・経済・投資

人気記事 HOT

※過去1ヶ月以内に配信した記事の閲覧数