2007年の郵政民営化から10年。日本郵政グループの利益はなお9割を金融2社が稼ぐ。郵便事業を担う日本郵便は豪物流会社・トールを買収したが、4000億円もの損失を計上した。成長をどう実現するか、日本郵便の横山邦男社長に話を聞いた。
──業績が伸び悩んでいます。
郵便取扱数はこの10年で2割縮小したうえ、郵便事業は労働集約型であり、近年の人件費上昇が重たい。収益力の伸び悩みというように見えるかもしれない。しかし、当社には大きなポテンシャルがある。これから伸ばしていくビジネスで、経費増を打ち返していく。
──トールの減損を今どのように振り返りますか。
(100件以上の)M&Aで業容を拡大してきたトールは、買収社同士で業務内容の統合ができておらず、コスト競争力がなかった。そのマイナスに豪経済低迷が重なり、経営不振に陥った。
減損前は毎期200億円超ののれん償却を20年間決算に強いる形だった。その重しが取れたことはよかった。今は、システム統合などでコスト削減を進めている。
トールは最近、シンガポールに新しい物流センターを作った。当社がアジアやオセアニアにおいて日本企業向けの物流を強化していくうえで重要な拠点になる。買収効果はこれから出てくるはずだ。
──今後もM&Aを続けますか。
われわれのコア事業の強化や補完につながる企業であれば、つねに買収を考える。ただし、買収価格は冷静に判断し、自分たちのターゲットゾーンに入ってきたときに買う。今後は、のれんが多額になるような買収はしない。
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