サファイアブルーの海に無数の熱帯魚がきらめく。まぶしいほどの白砂にエメラルドグリーンの波が静かに押し寄せてくる。規則正しい波音のほかは、小鳥のさえずりが聞こえるだけだ。この無人島のビーチには旅行友達のS君と筆者のほか、誰もいない。人がいないどころか、この島には人工物すら存在しない。
東ティモールの東端にある無人島、ジャコ島を訪れたのは2013年4月のことだ。
日本からエアアジアXを使い、クアラルンプール経由で観光客のあふれるインドネシアのバリ島(デンパサール)へ。さらに東ティモールの首都ディリに飛んだ。ディリからジャコ島まではランドクルーザーを借りて1泊2日の道のりである。路線バスもあるが、屋根まで人が鈴なりで乗れたものではない。
道は舗装されているものの、所々路面が破壊され、運転には慎重さと技術が要求される。通学中の子どもや犬、鶏、水牛、豚、やぎをかいくぐらなければならない。
沿道に小学校を見つけるとのぞきに行くと、逆に子どもたちに取り囲まれた。渋滞が起きたと思えば、道路脇で闘鶏をやっている。次にどんなものに遭遇するかわからない道中となった。
残り8キロメートルは熱帯雨林の中の道無き道を行き、4WDの車輪を空転させながら244キロメートルを走破してトゥトゥアラビーチへたどり着いた。ジャコ島へはそこから漁師と交渉して漁船をチャーターするしかない。
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