昔からの食べ仲間に大食漢のA氏がいる。彼は国内で地方都市に出掛けると、ダブルランチと称して昼に2軒レストランに行ってしまうのだ。
旅先でいろいろなお店に行きたいが現地で時間がない。そんなときの奥の手として頭の片隅にはあったが、実践する機会はなかった。
ところが2016年1月、トルコのイスタンブールで人生初のダブルディナーをやる羽目になった。
エティハド航空のセールで成田発イスタンブール往復が総額5万0430円。現地滞在は25時間10分しかないのに夜営業のみの行きたい店が2軒あったのだ。
1軒目は18時30分から世界のベストレストランで51位(17年)の「ミクラ」へ。フィンランド生まれで、トルコ人の父と北欧系の母を持つシェフが繰り出す料理はスカンディナビアのテイストが……と予想したが、オーソドックスな西洋料理。羊の使い方が巧みなのはやはりトルコならではか。デザートの選択に迷っていたら二つ持ってきてくれた。腹をすかせなければと思いつつ胃袋に収める。
マルマラペラホテルの最上階にあり、夜景がすばらしい。バーだけを利用するカップルも目立った。
シェフは元サーファー
2軒目の「アランチャ」のスタートは22時。3.5キロメートルを歩いて腹ごなしをする。タクシム広場に向かう目抜き通りのイスティクラル通りはショッピング客でにぎわっている。数日前に自爆テロがあり、ドイツ人観光客が10人以上亡くなったばかり。人ごみは極力避けなければと足早に通過する。
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