EV開発の先駆者
「テイクオフすれば7年間で普及する」
私は40年間電気自動車(EV)を開発してきて、いつか量産化できる時代が来ると信じてきた。
一般的に新製品が量産化に至るには、3つの難関がある。実際に試作するまでの「魔の川」、安全面の審査をクリアするなどし、製品化するまでの「死の谷」、そして量産化するまでの「ダーウィンの海」だ。慶応大学でEVを作った時は、試作車を作って「魔の川」こそ渡れたが、資金面の問題で「死の谷」を越えられなかった。
さらに「ダーウィンの海」を渡って量産化に至るには、商品としての競争力が不可欠。そのためにEVではモーター、インバーター、電池の素性のいい技術が求められ、ようやくその技術がそろいつつある。加えて消費者に欲しいと思われる価格も重要だ。量産化してガソリン車並みに価格が下がれば、動作を制御しやすく車室も広いEVは、ガソリン車より利点が多い。
メンタリティを変えられるか
日本の自動車メーカーが米テスラのようなEVを作れなかったのは、ハーバード・ビジネス・スクールのクレイトン・クリステンセン教授のいう「イノベーションのジレンマ」に取りつかれていたからだろう。根本的な技術の方向性を変えると、既存産業が破壊的な影響を受ける。だからEV化に踏み切れなかった。
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