違反者には6カ月以下の懲役または30万円以下の罰金──。5月30日の全面施行で個人情報保護法にも“法の番人”が置かれることになった。
それが個人情報保護委員会だ。これまでは各省庁がバラバラに所管する業界を監督し、個人情報保護法の違反がないかチェックしていた。今回、そうした監督行政がこの独立機関に一元化される。「専門組織ができれば同法に基づく行政のノウハウやスキルもたまりやすくなる」と、個人情報保護委員会の其田真理事務局長は話す。
権限は大きい。通常は相談窓口での対応や、助言や指導がメインだが、悪質な不正を察知すると、立ち入り調査を行って報告を求める。そして保護法違反を是正するようにと「勧告」を出す。相手が勧告に従わないままだと勧告が「命令」に変わる。その命令にも対応がない場合、最後は冒頭のような罰を科すことができるのだ。
現在は約130人という人員も今後はさらに増える。保護委員会によれば海外の類似機関は英国で6倍、フランスでも2倍に相当する規模の人員を擁しており、日本はまだ人手が足りないという。現在は各省庁からの出向者が中心だが、保護委員会独自での採用も行って、監督官を増やす方針だ。

権限は強大だが運用は “性善説”に基づく
公正取引委員会が独占禁止法の執行に心血を注ぐように、厳格な取り締まりがこれから始まるように見えるかもしれない。ただ、保護委員会はそこまでの認識は持っていないようだ。「悪質性、深刻性、社会的影響がよほど大きくないかぎり、踏み込んだ措置を取ることはまれだ」と其田氏は言う。
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