「構造改革は進捗している。大型のリスクはこれで収束した」。5月上旬に開催された決算説明会で、三菱重工業の宮永俊一社長はそう強調した。今2018年3月期は営業利益2300億円(前期比52.8%増)の急回復を見込む。
確かに、同社が抱えてきた二つの巨額損失リスクは前期中に収束した。一つは欧州クルーズ会社向けの大型客船だ。11年に約1000億円で2隻を受注したが、基本設計が遅れ、資材調達や作業工程の混乱を招いた。結局、約2700億円の損失を計上し、今年4月に2隻目の引き渡しを終えた。
もう一つが米国の原発事故をめぐり損害賠償を請求されていた案件だ。三菱重工が納入した蒸気発生器が冷却水漏れを起こし廃炉につながったとして、米社から約7500億円を請求されていた。仲裁機関の国際商業会議所は賠償額を約141億円と裁定。三菱重工側の主張がほぼ全面的に認められた。
宮永社長は「後顧の憂いはなくなった。(従来計画の18年3月期から)2年遅れるが、最先端投資や持続的成長に必要な売上高5兆円目標は変わらない」と力を込める。
MRJ納入を5回延期、ボーイング向けも端境期
だが先行きには、残る不安も少なくない。その筆頭格が小型ジェット旅客機MRJ(三菱リージョナルジェット)だ。開発が始まった08年当初は13年の納入開始を予定していた。だが、開発の遅れなどから5回の延期を経て現在は20年半ばの引き渡しを目標にしている。16年11月には宮永社長直轄の体制に移行し、経験豊富な外国人技術者を大量採用するなど開発を急いでいる。
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