医学部の人気が沸騰している。今年の医学部志願者数は14万3176人(国公立、私立大学合計)と10年前より4割近く増えた。大学の定員数に対する志願倍率は実に15.2倍。2年連続で医学部の新設があったことから、ここ数年は横ばい傾向だが、それでも超高水準が続く。
併願できる私立大学医学部の一般入試では、20〜30倍の倍率は当たり前。人気上昇につれて、私立医大の平均偏差値は1990年と比べ約10上昇した(駿台予備学校の資料を基に計算)。いちばん偏差値が低い大学は60前後だが、それでも「母集団のレベルが高く早慶の理工学部並み」(予備校関係者)。
私立医大が学費値下げ一般家庭にもチャンス
こうした医学部のバブル人気の背景には何があるのか。河合塾麹町校の横井徹・校舎長は、「リーマンショック後、手に職をつけたいという一般家庭の生徒たちが流入している」と話す。医者はなんといっても高年収。開業医になればいちばん高い眼科で平均3273万円を稼ぐ。サラリーマンと違って定年はなく、安定して稼げる資格職の代表格になっている。
6年間の総学費が約350万円と安い国立大学の医学部は、科目数の多いセンター試験で85〜90%以上の点数を取らないと合格できない超難関。得意な科目に集中して対策ができる私立大学の医学部を滑り止めに狙おうにも、6年間の学費は最高4550万円と都心のマンション価格並み。一般家庭にはなかなか手が出せなかった。
それが、順天堂大学が2008年度に値下げしたのを皮切りに、私立医大で学費の値下げが相次いでいる。私立医大の人気と偏差値は学費と反比例する。入学志願者の獲得へ、この10年間で1000万円以上学費を下げる大学も出てきており、一般家庭の子どもの志願者が増えているのだ。
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