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法務省の出入国管理統計によると、2015年に海外へ出国した20代の若者は253万5343人と、平成以降で過去最低を記録した。為替相場の影響はあるものの、1996年の462万9356人をピークに20年で約210万人減少している。
こうしたことから「若者の海外旅行離れ」が起こっているとよく耳にする。だが、本当だろうか。
海外旅行割合はバブル超え
まず踏まえておきたいのは、若者の人口全体も急減しているという事実である。総務省「人口推計」によると、20年前と比較して20代は約650万人も減っている。これを考慮して作成したのが、下図「海外旅行に行く割合推移」である。20代と、比較対象とした40代が、毎年集計される人口のうち何%ほど出国しているかを表している。

20代を見てみよう。この10年間、ほぼ20±3%の間を推移しており、「海外旅行に行く割合」に大きな変化は見えない。むしろ15年は20%と、バブル期を上回っている。
一方で、海外旅行に行く40代の割合は06年に大きく減少し、09年以降は20代を下回る状態が続いている。若者よりはむしろ「中高年の海外旅行離れ」のほうを強く訴えるべきだろう。
ここで抜け落ちていた視点は、本来は「総数に占める割合を比較」するべきということ。それなのに「総数に割合を掛けた実数を比較」してしまった。そして「若者の〇〇が減っているというけれど、他年代はもともともっと低くなっている」という比較の視点である。実際のところ、世間で言われる「若者の〇〇離れ」の多くは、このように批判的に見た場合、疑わしいことがわかってくる。
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