ベネズエラが国営石油会社PDVSAを通じ、トランプ米大統領の就任式に50万ドル(約5600万円)を寄付していた。いかにも皮肉なニュースだ。ベネズエラほど債務不履行を繰り返してきた国はないからである。
同国の独裁政権は、さらなる債務不履行を逃れようと必死だ。最近では、米国に拠点を置く精油企業シトゴなどの重要資産を担保に、ロシアと中国から融資を受けた。
国民を窮乏させてまで、マドゥロ大統領が対外債務返済にこだわる理由は判然としない。ルーマニアの独裁者チャウシェスク元大統領が1980年代に同様のことを行ったが、深刻な食糧難や医療の窮乏を招いた結果、革命軍の手で公開処刑された。ベネズエラも独裁政権が倒れれば、同様の惨事となるのは目に見えている。
トランプ大統領の就任式に寄付したような額を、はした金と呼べた時代は確かにあった。チャベス前大統領の下、ベネズエラはオイルマネーを使って、中南米の反米政権を広く支援していた。米国の低所得世帯の光熱費を援助していたことすらある。
石油価格が高騰していた頃は、経済政策の失敗から産油量が急減しても、国の歳入を維持できた。だが、ベネズエラが米国ほど豊かだったことは一度もない。
この記事は有料会員限定です
残り 385文字
