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ビジネス #東芝が消える日

期待外れの社外取締役 大物ぞろいでも見抜けず

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小林喜光氏は2016年に志賀重範氏を会長に指名(撮影:尾形文繁)

「あれを買収したらすべてスムーズにいく。建設会社がタダで手に入り、訴訟がなくなり、全体としてコストも下がるという報告だった。独立監査人(当時は新日本監査法人)も問題ないと言っているという説明もあった。普通なら賛成する」(東芝のある社外取締役)

「あれ」とは、2015年に買収し、巨額損失の原因となった米国の原発建設会社ストーン・アンド・ウェブスター(S&W)である。買収の報告者は志賀重範副社長(当時。会長を経て現在は執行役)だ。

ウエスチングハウス(WH)とS&Wが共同で進める米国の原発建設は工事が大幅に遅れ、コストが急増。その責任と費用負担をめぐって当事者間で係争が発生していた。そこでWHがS&Wを買収し、互いに訴えを取り下げることで合意した。電力会社に工期延長と建設費の増額も認めさせ、丸く収めたように見えた。

実態が明らかになったのは、買収から1年近く経ってからのことだ。当時、S&W買収によるバラ色のシナリオが損失の先送りにしかならないことの説明は志賀氏らからはなく、社外取締役も気づかなかった。

冒頭とは別の社外取締役は「取締役会でS&W買収を議論した覚えがない」とさえ言う。だが15年春に不正会計が発覚して以降、WHも大きな関心事になっていた。もし本当に覚えていないのだとしたら、社外取締役として失格だ。

「素人ばかりだから」仕方なかった?

「原発については、(志賀氏を除く当時の取締役は)素人ばかりだったから」

冒頭の社外取締役が述懐する。社外取締役による経営の監視機能が働かなかったのは、素人集団だから仕方なかったとの弁明だ。

だが、事業についての豊富な知見がなければ経営を監視できないなら、社外取締役を置く意味は薄れる。しかも今回の窮状を招いたS&Wの買収価格はゼロ円だ。「ゼロ円買収で、しかも訴訟がなくなる。いいことずくめだ」という説明を取締役会で受けた時点で、いくら素人でも「何か裏がある」と大いに疑うのが社外取締役の本来あるべき姿だったのではないか。

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