中国の過剰生産に悩まされてきた鉄鋼業界。昨年秋からは原料炭価格高騰の逆風も加わった。JFEホールディングス傘下で国内鉄鋼業界2位のJFEスチール・柿木厚司社長に事業環境を聞いた。
──川崎製鉄と日本鋼管の統合から13年が経過。今期は厳しい環境になっている。
中国の鉄鋼内需が2013年から減速する一方、生産能力は減らず、16年まで3年続けて中国の鉄鋼輸出が1億トンを超す規模に増えた。その結果、鉄鋼市況が低落し、世界のほとんどの鉄鋼企業が赤字になった。この構造的要因に加え、今下期には原料炭の調達価格が(1トン92ドルから285ドルまで)急騰した。中国の炭鉱操業規制に加え、スポット市場で投機色が強まった影響も大きい。
──原料炭高騰への対応は。
当社のコストダウンだけでは乗り切れないので、10~12月は鋼材1トン当たり1万円の値上げを顧客に要請した。1~3月は鉄鉱石も上がっているので、追加で1万円強の値上げをお願いしている。ただ、値上げ浸透にはタイムラグもあり、今期は厳しい決算を余儀なくされる。
──中国の鉄鋼生産の過剰能力問題は改善に向かうか。
中国政府が能力削減計画を示したのは大きな進歩。グローバルフォーラムという国際的な議論の場も設置され、改善の期待はある。ただ中国の生産量、輸出量は落ちていない。雇用も絡むため問題解消には最低5年はかかるだろう。それを前提にわれわれも対処していく必要がある。
──17年度の鋼材需要は?
国内は造船など一部で厳しいが、全体的には悪くない。東京五輪やリニア中央新幹線の建設関連需要も見込める。国内自動車向けや海外需要が横ばいだとしても、粗鋼生産ベースで今期を若干上回るだろう。
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