世界一有名な世界文化遺産の一つであるフランスのモン・サン=ミシェル。しかし大西洋に浮かぶこの島は、評判があまりよろしくない。ここを訪れた旅行者から何度、「江の島みたいなものだ」とか「人が多すぎて何がいいのかわからない」といった愚痴めいた言葉を聞かされたことだろうか。
前号で触れたが昨年10月、たまたまブルターニュ・ノルマンディーに行くことになった。それならばと、これまで訪れたことがないモン・サン=ミシェルへ足を延ばした。
まずは下調べが肝心。ハイライトは、全景を島から離れて眺めることに尽きるようだ。ネットの画像検索によれば、美しいのは日の出と日没前後。そこで島の近くに宿を取る。大潮に合わせて訪れれば、四方を海に囲まれた姿が堪能できる。
陸地とモン・サン=ミシェルの島は長さ760メートルの道で結ばれている。日中は無料のシャトルバスが通っているが、それ以外の時間は徒歩が唯一の手段。日没前にレンタカーでホテルに到着後、チェックインを後回しにして、この道を歩いた。周り一面が砂州で、群青色の空に飛行機雲が幾筋も流れる。その中に屹立するモン・サン=ミシェルはライトアップされ、ただ美しかった。
朝の静寂を味わう
翌朝は日の出に合わせて早起きをする。朝日で赤く染まる夜明けのモン・サン=ミシェル。ライトアップされていないので派手さはないが、かつての巡礼者が見た姿に近いのはこちらのほうだ。ツーリストは視界に5人といない。静寂である。
朝9時30分の開門と同時に修道院へ。この時間なら団体客は来ておらず、落ち着いた雰囲気である。
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