国内ビール業界の盟主が、巨額M&Aで勝負に打って出る。
12月13日、アサヒグループホールディングス(HD)は英国ビール最大手のSABミラーから、チェコなど東欧5カ国8社のビール事業を買収すると発表した。買収金額は約8883億円で、2017年前半の取得完了を見込む。
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アサヒは今年10月に同じSABミラーからイタリアのペローニやオランダのグロールシュなど西欧4社を約2945億円で買収したばかり。両者合わせた金額は1.2兆円近くに上る。日本企業による海外酒類メーカーの買収では、14年にサントリーHDがウイスキーなど米国蒸留酒大手のビームを買収した際の約1.6兆円に次ぐ規模だ。
これまでサントリーが蒸留酒で世界展開し、キリンHDがブラジルや東南アジアに進出しているのに対し、アサヒは海外進出では後塵を拝してきた。一連の買収で、海外売上高比率は15年12月期の13%から倍増する見通しだ。
事の発端はビール世界シェア1位のアンハイザー・ブッシュ・インベブが約10兆円で、同2位のSABミラーを買収したことにさかのぼる。
巨大企業の誕生に伴い、各国で独占禁止法に抵触するおそれから、一部事業が売却されることになった。アサヒは国内で「スーパードライ」の販売が伸び悩んでいる。海外事業の強化が急務だった。
経営方針の変化もある。アサヒが11月に開いた西欧事業の説明会で、小路明善社長は売上高EBITDA(税引き・償却前利益)比率の重要性を強調。従来はビールのシェアや売上高の成長にこだわることが多かったが、利益重視の姿勢を打ち出していた。
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