自由が丘、武蔵小杉、二子玉川──。関東の住みたい街ランキング上位に、沿線の地域名が多く顔を出す東京急行電鉄(東急)。多摩田園都市を筆頭に、沿線開発には一日の長があり沿線人口も増加基調だ。
それでも東急グループには危機感が募る。日本全体での人口増が望めない中、沿線住民の高齢化や住宅の老朽化を放置すれば、いかにブランドを築いても将来的には街の活力が失われかねないからだ。
都心回帰が進む中、郊外型の開発モデルをどう進化させるか──。沿線住民を外に出さず、ファミリー層など若い世代を新たに呼び込んで「東急民」を作る。そんな施策がグループ一体で進んでいる。
東急田園都市線のたまプラーザ駅。デッキを通じて駅と直結している「ドレッセたまプラーザテラス」は、若者とシニアの住まいの循環を起こすモデルケースとして注目されるマンションだ。
昨年3月に完成した全92戸は、沿線に戸建て住宅を持つシニア層の住み替え需要を主なターゲットにしている。子育てが終わり、広いものの駅から離れた戸建て住宅を持て余す老夫婦に、駅直結の利便性は魅力だ。分譲価格を比較的安く抑えるために52年間の定期借地権を設定。土地を返還するスキームのため、東急の将来の開発にも余地を残した。
一方、空いた戸建て住宅は建て替えやリフォームをしたうえで、子育て世代に賃貸するなど資産の有効活用を促す。
実際、ドレッセたまプラーザテラス入居者の8割が持ち家ありで、自宅を売却するケースもあったが、子どもを空いた戸建て住宅に呼び寄せるケースも出ているという。
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