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ジレンマ抱え、至難な舵取りがトランプを待つ 選挙戦中の野方図な公約が自らの首をしめる

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まさかの展開でトランプ氏が米国の大統領になることが決まった。過激な発言を繰り返すことで、白人の貧困層にアピールしたことが、当選の原動力になったといわれている。

トランプ氏の公約は多岐にわたった。不法移民対策としてメキシコとの国境の壁建設、NAFTA(北米自由貿易協定)の根本的な見直し、2兆~6兆ドルにのぼる大減税、1兆ドルのインフラ投資、駐留米軍に対する日本の応分の負担、中国製品への関税強化、シリアをはじめとしたイスラム教徒の入国禁止……。

さらにTPP(環太平洋経済連携協定)や、比較的安価な公的医療保険への加入を義務付ける医療保険制度改革(オバマケア)、キューバとの国交正常化など、オバマ政権が行ってきた政策をことごとくひっくり返す構えだ。

共通して言えるのは、世界の警察官としての役割を放棄し、自国の利益を追求し、強い米国を取り戻すということだろう。たとえば自由貿易協定の推進がそうだ。日本と交渉するときと、オーストラリアと交渉するときでは、交渉の力点が違ってくる。TPPのように各国が集まって取り決めるより、2国間で交渉したほうがエゴを通しやすい。

一方でヒラリー・クリントン氏の公約は何だったか。寡聞にして筆者は知らない。オバマ政権を継承するという立場からすれば、公約は焦点にならなかったのかもしれない。唯一、知られたのがTPP反対だろう。これとて、かつては賛成していたもので、選挙向けのポーズではないかといわれていた。

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