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米海軍が対中国へ本気、キーワード変更の意味 軍事用語の変化から読み取れる新段階入り

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  • 小原 凡司 笹川平和財団上席フェロー
11月1日から珠海市で開かれた航空ショーでは、最新ステルス機などが披露された。写真はJ-10(Imaginechina/時事通信フォト)

米国海軍が中国海軍への対処を具体的に考慮し始めた。南シナ海などで実効支配を強める中国人民解放軍について、米海軍が「A2/AD」という表現の使用をやめると宣言したのだ。「ようやく」と言ったほうがいいかもしれない。

今年9月27日、バージニア州ノーフォークで開催された「海洋安全保障対話」の中で、米海軍作戦部長のジョン・リチャードソン大将が「われわれの思考の明晰さと精密さを保証するために、A2/ADという単語を使用しない」と述べた。A2/ADは、Anti-Access/Area Denialの略語で接近阻止・領域拒否を示す。

A2/ADは2000年代初めから、米国防総省のネットアセスメント室という部局で使用されるようになった。ネットアセスメント室とは、中国など戦略的に対立する国家への安全保障環境の長期的趨勢を、統計学を駆使して軍事・経済などの側面から総合的に評価する組織である。

軍事の専門家以外はリチャードソン大将の発言を意外に思うだろう。A2/ADは中国の軍事戦略を包括的に表現する便利な言葉として15年間以上、米国を中心に世界で使われてきたからだ。「A2/AD戦略」と言えば、誰もが中国の軍事戦略を理解したかのような気になれた。

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