テレビや新聞といったマス媒体の影響力が低下する中、広告業界では、デジタルサイネージやネット広告など新たな試みが盛んに生まれている。
そんな中、東京・原宿に企業から提供された新製品の試供品を展示、配布する新しいスタイルの店舗型広告媒体「サンプル・ラボ」をオープンし、注目を集めていたマーケティング会社「メル・ポスネット」が4月に営業を停止、倒産した。
破産申立書などによると、負債は約16.8億円。倒産の原因は、同社が輸入販売を手掛けていた台湾製の薄型テレビで昨年8月に発火事故が発生、販売先の小売店から注文が途絶えたことが引き金だった。
同事業はメル・ポスネットの総売上高70億円(2007年7月期時点)の約7割を占める主力事業だったため、売り上げが急減。仲介業者の倒産で、前渡し金や保証金も焦げ付いた。
そして、事業の立て直しを図っていた矢先の昨年9月にはリーマンショックが発生。世界不況が一段と深刻化する中、企業の広告宣伝費が大幅に削減されたことを受けて、チラシなどを家庭に配布する本業のポスティング事業も急速に冷え込み、倒産に追い込まれた。
サンプル・ラボは企業に試供品の展示スペースを提供し、会員が気に入った品物を持ち帰れるようにするとともに、携帯電話などを通じたアンケート回収システムを構築。ビジネスモデル特許も申請した新規事業だった。
一時は展示スペースに行列ができるほどの人気で会員数は4万人を突破。一見、順調そうに見えたが、実は試供品の展示、提供に参加する企業集めに苦戦していたという。特に昨年秋以降、企業側が実績のない広告宣伝の試みに慎重になったとみられ、それが大きく影響したようだ。
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