3勝14敗、8引き分け──。国内ビールのトップブランド、「スーパードライ」が不振にあえいでいる。ここ2年間の月次販売実績で前年同月を上回ったのはわずか3カ月。8カ月は横ばいを維持したが、残る14カ月は前年割れだ(図表1)。
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アサヒグループホールディングス(HD)の大黒柱に起こった異変。消費の多様化、高齢化進行に伴って、国内ビール市場は縮小傾向にある。新製品「ザ・モルツ」を投入したサントリーHDや、「黒ラベル」「ヱビス」を刷新したサッポロHDなどライバルとの競争も激しく、高価格帯の「ドライプレミアム」を中心に販売は伸び悩む。
アサヒは主力の減速を補うため、新ジャンル「クリアアサヒ」を刷新。比較的安価な新ジャンル品の拡販を急ぐ。なりふり構わぬその姿からは、ビールの国内シェア約5割を握る王者の焦りすら感じられる。アサヒの連結売上高の過半は国内酒類事業である。その約6割をビール(発泡酒・新ジャンルを除く)が占める。スーパードライの失速は、同社の屋台骨を揺るがす事態だ。
しかも、アサヒは海外展開で後れを取ってきた。1994年に中国のビール大手に出資して以来、豪州やマレーシアなどでビール・飲料事業を始めたが、2015年度の海外売上高比率は13%でキリンHDやサントリーの背中は遠い(図表2)。
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キリンは豪州やブラジルでビール・飲料大手を次々と手中に収めてきた。総投資額は1兆円を超える。サントリーも14年に米蒸留酒大手ビームを約1兆6000億円で買収、蒸留酒中心に舵を切った。一方、アサヒは1000億円以上の大型買収は実施してこなかった。
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