「フェイスブック、グーグル、アリババ、アマゾン。これらの企業が新しい世界の秩序を形作ることは許されるべきではない。彼らにそのような権限はない!」
今年1月に開催された欧州最大のプライバシー保護に関する会議「CPDP(Computers, Privacy and Data Pro-tection)」で欧州議会議長のマーティン・シュルツ氏はそう語った。EU(欧州連合)は、米国を中心とするITプラットフォーム企業によるパーソナルデータ(個人情報)の市場寡占化に強い警戒感を持つ。
シュルツ氏らが「デジタルジャイアンツ」と呼ぶITプラットフォーム企業群は、消費者の膨大な利用データを外部には提供せずに社内で囲い込み、ビジネスの拡大に利用している。今後IoTが普及すれば、そこから集まるデータもまたデジタルジャイアンツに集中してしまう懸念がある。
「データの支配はネット上の空間のみならず、製造業や医療、交通、社会統治を含む現実世界の財やサービスすべてに死活的な影響を及ぼしうる」(プライバシーの問題に詳しい情報通信総合研究所の生貝直人研究員)
新たなデータ保護規則を施行
そこでEUは対策に動き始めた。欧州議会は4月、EU全域のデータ保護法制を全面的に改革する一般データ保護規則(General Data Protection Regulation、GDPR)を正式に可決した。2018年5月の施行が予定されており、EU加盟国全域に直接適用される見通しだ。
GDPRの狙いの1つは、「データポータビリティの権利」(20条)の導入にある。これは、①データ管理者から本人が自らのデータを扱いやすい電子的な形式で取り戻す権利、②あるデータ管理者から別のデータ管理者(プラットフォーム)に移行させる権利の2つから構成される。
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