ジェネリック(後発)医薬品業界が空前の大増産を進めている。医療費抑制の一環で、国が病院や薬局にインセンティブを与え、特許の切れた先発薬と同じ有効成分で価格が安い、後発薬の利用を促進しているためだ。
医薬品に占める後発薬の数量シェアは、2005年の32%から15年に56%まで拡大。国内後発薬トップ3の日医工、沢井製薬、東和薬品は、16年3月期決算で軒並み2ケタ増収を達成し、利益も高水準だった。はた目には有卦(うけ)に入っているように見える。
しかし、各社首脳の表情は冴えない。その理由は15年6月、国が後発薬シェアの目標値を引き上げているためだ。「17年度末に60%以上」というそれまでの目標から一転、「17年央に70%、18~20年度末までのなるべく早い時期に80%以上」との新目標が突如掲げられた(図表1)。
拡大する
沢井製薬の澤井光郎社長は、「趣味で山登りをしていたのが、いきなりキリマンジャロに登れと言われたようなものだ。来年半ばの70%目標は達成困難と言わざるをえない」と困惑する。
現状で640億錠の国内需要は、80%達成時に1000億錠以上に拡大する見込み。国の要請に応えるため、後発薬メーカーは急ピッチで供給能力を大幅に増やさなければならない。日医工は18年度までの3年間で305億円、沢井製薬と東和薬品は17年度までの2年間で、それぞれ550億円、793億円という巨額の設備投資を決めている。
国内市場は先細り
増産対応は早くも今年度からコスト増としてのしかかっている。設備増強に伴う減価償却費の増加はもちろん、機械の分解や洗浄を行う生産部門と営業部門の増員負担が利益を圧迫。バイオ後発薬や水なしで飲めるOD錠(口腔内崩壊錠)などの研究開発費も増加傾向だ。加えて今年4月には、2年に1回の薬価引き下げもあった。今第1四半期は大手3社がそろって増収ながら営業減益となった。
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