これまで米国会計基準で決算発表してきたパナソニックがIFRS(国際財務報告基準)に移行する。あらためてその狙いは何か、経理・財務担当の河井英明専務を直撃した。
──パナソニックはもともと米国会計基準であり、IFRSを導入してもしなくてものれんは償却しない。つまり、多くの導入企業が理由に挙げる「のれん非償却」は、パナソニックでは理由になりえない。それなのに導入する狙いは何か。
最大の意図は、国内外に474社ある子会社の経営管理レベルの高位平準化にある。月締めの決算もすべてIFRSに統一することによって、全社のベクトルを合わせられる。
これまでは各国基準の子会社決算を、本社が米国基準にドンと調整してきた。これだとカンパニーや事業部にいったいどんな調整がかかっているかが見えない。
──なぜ今期からなのか。
2015年度が前中期計画の最終年度で、今16年度が新しい中計の初年度だからだ。突貫工事だけれど準備をしっかりやりきって、初年度からスタートするのがどうしても必要なタイミングだと思った。
連結納税も同時導入し 一気にレベルを引き上げ
──IFRS導入によって、営業利益の定義が変わるのも導入の狙いなのか。
これまで営業外費用だった品質関連費用や訴訟関連費用、構造改革費用が営業内になる。そうなることで、広い意味での個社の費用管理が今までよりはるかに厳しくなる。
──IFRS導入と同時に連結納税も導入するが、その狙いは。
赤字会社との損益通算というメリットがある一方、連結納税導入によって作業が膨大になる。今までは個社の決算を基に納税額を計算していたが、今後は100社以上ある国内子会社の決算をいったん全部集めて納税額を計算した後、個社に結果を戻して最終決算を詰めるので、税務の高位平準化が必要になる。国内子会社は大小さまざまで、経理・財務スタッフの数やスキルにもバラツキがある。連結納税の導入によって税務の仕事のレベルアップが図れる。
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