公共の所有するインフラの運営権を民間が受託する「コンセッション」と呼ばれる手法が広がっている。今年4月に関西国際空港と伊丹空港、7月には仙台空港で民間運営がそれぞれスタートした。6月下旬には愛知県の有料道路も民間運営を行うことが正式決定している。
コンセッションでは公共施設の所有権を国や県に残したまま、運営権を民間に売却する。運営権を得た企業は、利用者から料金を徴収しながら通常30〜50年の長期にわたり施設を維持管理する。コンセッションに詳しい経営共創基盤の岡田信一郎パートナーは、「欧米では広く普及している手法。自治体財政の負担軽減のほか、施設運営の活性化につながるケースが多い」と説明する。
安倍晋三政権もコンセッションを成長戦略の一つに位置づける。今年から3年間を集中強化期間と定め、空港や道路、水道など施設ごとに具体的な数値目標を設定。2022年までに事業規模7兆円を目指す。

15年越しの研究が実り 先行する前田建設
参入企業として海外で目立つのが総合建設業、日本でいうゼネコンだ。特に欧州勢ではコンセッションなどの非請負事業が収益の柱という企業は少なくない。売上高5兆円を超す仏バンシは世界で25空港の運営を受託、日本でも関空・伊丹の運営権をオリックスとともに取得している。
日本のゼネコンで存在感を示すのが前田建設工業だ。仙台空港では東京急行電鉄などと組み運営権を獲得。愛知県の有料道路でも森トラスト、大和ハウス工業などと連携し、代表企業として運営権を受託した。
前田建設工業はインフラ投資のノウハウを持つ豪投資銀行、マッコーリーと業務提携し、「15年以上も前からコンセッションを研究してきた」(岐部一誠常務執行役員)。愛知県の有料道路は早くから本命案件と位置づけ、取り組んだ成果が出た。
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