都心で地下鉄やJRに乗ると、事故や故障で電車が遅れることがすこぶる多い。国土交通省によると、2014年度の事故などに起因する30分以上の遅延は6049件だった。
これに対し8592という数字がある。14年度の組み体操による負傷者数だ。頻繁に起きていると感じる電車遅延より4割も多い。しかも負傷者の7割以上が小学生だ。
客観的なデータは人を説得するときに有効だが、一つだけでは評価できないことが多い。ほかのものとの比較や時系列での比較が必要だ。
先の例では、組み体操での負傷者数の異常さがわかる。普通に考えれば、組み体操は即刻禁止すべきだろう。
データ比較は主張の補強となると同時に、いいかげんさを見抜くときにも役に立つ。
安倍政権は、人口1億人の維持、希望出生率1.8という目標を掲げている。反対する国民は少ないだろう。ただ、実現するには財源が必要だ。少子化対策に成功している先進各国はどうなっているのか「少子化社会対策白書15年版」を見てみよう。
家族関係社会支出の対GDP(国内総生産)比は、英国3.97%(出生率1.83)、フランス2.94%(同1.99)、スウェーデン3.64%(同1.89)。対する日本は1.32%(同1.43)で3カ国平均から2ポイント以上も低い。日本のGDPの2%は約10兆円だ。保育士給与2%アップに予算数百億円などでは、少子化対策に及び腰と見られても仕方ないだろう。
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