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人工知能やIoT(モノのインターネット)などテクノロジーの進化で、多くの単純な仕事がなくなっていく。誰もが専門家にならなければ生き残れない。スペシャリストになれば、働きがいのある仕事ができる未来が訪れる──。本当にそうなるのだろうか。むしろ目を向けるべきは、テクノロジーがもたらした働き方の大きな変化だろう。
「シェア」は聞こえがよかった
現在、米国から始まり世界に拡大しつつある新しいサービスに、スマートフォンアプリを使った配車サービスがある。その代表が「ウーバー」だ。利用者はアプリで指定の場所にいつでも車を呼ぶことができる。運転手はウーバーに登録して利用者を目的地まで運ぶ。
自動車を所有者だけが使うのではなく、より多くの人が共同で使えるようにテクノロジーでつなぎ合わせる。こうした新しいビジネスモデルは「シェアリング」もしくは「ギグエコノミー」と呼ばれる。シェアリングは共有するという意味であり、ギグとはライブハウスでミュージシャンがその場限りのセッションを行うことをいう。米国ではこうした言葉にネガティブな意味が込められるようになってきた。
ウーバーの場合、登録する運転手は請負で仕事を行う。この形態であれば、企業側は従業員の雇用で生じる義務から解放される。それは最低賃金や労働時間から始まり、健康保険や年金などの社会保障、福利厚生手当だけでなく、ガソリン代や高速道路料金、自動車購入費用、メンテナンス費用にまで至る。働く側からすれば労働条件や社会保障の点で著しく不利な状況を受け入れなくてはならない。こうした関係が、シェアリングという聞こえのよい言葉と隔たりがあるととらえられたのだ。
テクノロジーの進化による社会システムの変化は過去にもあった。1980年代にはマイクロエレクトロニクス(ME)革命、90年代にはIT革命が起きた。MEを工作機械に組み込むことで作業を自動化し、ITは地理的な条件を超えてあらゆるものをつなぎ合わせた。企業間の対等な水平方向の連携による知の集積が、新たな競争力を生み出すようになった。
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