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健全な資格社会実現のために 職業資格制度の透明性を担保せよ

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  • 太田 聰一 慶応義塾大学経済学部教授
【今週の眼】太田聰一 慶応義塾大学経済学部教授
おおた・そういち●1964年京都市生まれ。京都大学経済学部卒業、ロンドン大学大学院修了(Ph.D)。名古屋大学大学院経済学研究科教授を経て2005年から現職。専門は労働経済学。著書に『若年者就業の経済学』、共著に『もの造りの技能─自動車産業の職場で』『労働経済学入門』など。(撮影:梅谷秀司)

多くの大学教員にとって一年の中で最も忙しい時期がやってきた。期末試験が終わるや否や、大学最大の年中行事である入学試験に動員されるからだ。そこで今回は試験にちなんだ話をしてみたい。

そもそも試験は、「認証」と「選抜」のためにある。「認証」とは試験を受けた人の知識・技能レベルを明らかにするもので、期末試験が当てはまる。一方、「選抜」とは試験をクリアしたものだけにライセンスを与えるもので、入学試験はまさに「選抜」のための試験といえる。

もちろん試験は学校だけにあるわけではない。就職やキャリアアップのための資格を得るときにも試験を受けねばならない。資格試験でも「認証」と「選抜」が基本であることは変わらない。社内技能検定制度は従業員が一定のスキルを持つことを認証するものだ。これに対して、司法試験にパスすることは弁護士業務を行うライセンスに直結する。

2003年の厚生労働省の調査によれば、「現在仕事で役立つ資格・免許を持っている」と回答した労働者の割合は37.1%となっており、多くの人々が職業資格を生かしている。また、資格を持っている人々の満足度が比較的高いことも知られている。しかし、職業資格制度については、さらに改善すべき点がある。

第一に、資格に関する情報開示の強化だ。職業資格を得ようとする人にとって必要な情報は、その資格によって得るメリットとコストだ。しかし、実際には資格関連団体による宣伝が多く、客観的な情報が極めて乏しい。その場合、受験者の期待と取得後の現実に齟齬が生じてしまう。中には、取得者の約3人に1人が「メリットがコストに見合っていない」と評価している職業資格もある。こうしたミスマッチを防ぐため、資格の有用性についての客観データの収集と提供を資格試験実施者に義務づけ、広く公開する施策が求められる。

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