地中海の移民問題は、二つの重要な教訓をもたらした。第一に、欧州および国際社会は、脆弱な移住者を保護する十分なシステムを有していないこと。第二に、その欠如に際して、ポピュリスト指導者が民衆の恐怖に付け入り、70年を費やして作り上げられたリベラルで寛容な社会を弱体化させてしまうだろうということだ。
昨年だけで100万人以上が命懸けで地中海を渡り、約4000人が命を落とした。生き延びた人々も欧州の多くで入国を拒否された。
冷笑的な政治的指導者たちは、移住者が経験したうそ偽りのない体験を無視するか、それらを歪曲させてしまう醜悪なナショナリストのビジョンを掲げることで、大衆の不安な思いに容赦なく付け込んでいる。
過激派勢力は、いくつかの欧州の国々で政権をほとんど掌握するまでに至っている。ハンガリーとポーランドでは、反移民を掲げる政党が権力の座にあり、主流政党が反移民政策を取らざるをえなくなっている。
難民の対応に当たる欧州連合(EU)のプログラムは、たった190人を「移住させる」ことしかできていない。EUは愛国主義に過ぎ、そして無能であるように見える。
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