近年、個人投資改革は政府主導で進展してきた。象徴はNISA(少額投資非課税制度)と、2016年から始まるジュニアNISAである。
一方、「貯蓄から投資へ」の受け皿として有力視されている投資信託は、証券会社、銀行などの販売会社による販売手数料稼ぎの荒っぽい回転売買セールスが目立った。これに「待った」をかけて正常化を促したのが金融庁だ。今後、金融商品の資産運用、資産管理、販売を担う民間企業の中で、自主的な改革の動きが本格化するかどうかが、最大のポイントになる。
その兆しがないわけではない。現在、証券業界が中心となって個人の資産形成の有力商品として販売している投資一任商品、ファンドラップでも、独自の取り組みを始める証券会社が現れた。中堅クラスのいちよし証券である。

同社は15年度の中間決算で、ファンドラップに関する手数料収入を独自に開示し始めたのだ。加えて、投信全体の信託報酬について、販売部分と運用部分の内訳も明確化した。
いちよし証券の動きを他社も無視はできない
ファンドラップは、野村証券、大和証券という大手のほかに、信託銀行や準大手以下の証券会社へと販売の動きが広がってきている。いちよしもファンドラップの取り扱いは15年7月に開始したばかりだが、先行組に先駆けて情報開示に出た。ファンドラップを取り扱う他社もしだいにこの動きを無視できなくなるに違いない。
いちよしをはじめ、中堅クラスの中には、個人向けの大衆商品としてふさわしくない仕組みの商品は取り扱わないという基本姿勢を貫く証券会社がある。投信でも、仕組みが複雑な商品はラインナップに加えないなどの対応だ。余裕資金をハイリスク・ハイリターンな商品に投資したいというニーズを抱く個人投資家もいるが、それはあくまでも限定的な取り扱いということになる。
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