「アベノミクスさまさまですよ」。2015年12月、首都圏で輸入車販社を経営する社長は顔をほころばせた。この販売店では主力車種として扱うポルシェの売れ行きが好調だという。
国内におけるポルシェの販売は、15年11月までの累計で前年比3割増の5800台と、14年の過去最高を更新した。伸びを牽引したのは、新型のコンパクトSUV(スポーツ多目的車)「マカン」(685万~1066万円)。中でも人気なのが800万円台のモデルで、価格にこだわらず、装備や機能が充実したワンランク上のモデルを購入する人が多いという。
日本自動車輸入組合の統計によれば、1000万円以上の外国車販売台数は14年にリーマンショック前の水準を上回った。15年に入ってからも、ポルシェやランボルギーニなど高級車の販売は好調に推移している。

前出の販社社長は「売れ行きを考えると、フォルクスワーゲン(VW)の排ガス不正の影響よりも、株価の動向のほうがよっぽど大きい」と強調する。高級輸入車の顧客層には資産家が多いため、アベノミクスによる株高が明らかな追い風となっている。
安倍晋三氏が首相に就いたのは2012年12月。当時の日経平均株価は1万円を割り込んでいたが、金融緩和や財政出動も後押しし、株価は右肩上がり。15年6月に2万0868円をつけ、00年のITバブルの高値を超えた。株価が2倍になったことで財布のひもが緩み、新車購入を決めた人も少なくないだろう。
別の輸入車販社の関係者によれば、客層は、大の車好きと景気がよい時に一時的に増える客に分かれる。そして「ここ数年の販売を押し上げているのは後者」。大企業の業績回復は中小企業にも潤いをもたらしているようで、中小企業オーナーが節税対策に経費で買う場合もある。
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