「米ウエスチングハウス(WH)の減損は、当社の連結財務諸表に影響を及ぼすものではありません」
11月17日。東芝は、原子力事業子会社WHが2012年度に約762億円、13年度に約394億円、計約1156億円というのれん減損を計上し、赤字に陥っていたことを明らかにした。
約6000億円で東芝がWHを買ったのは06年。米国会計基準にのっとり、買収時に見積もったのれんを減損せず、不適切会計発覚後も、「原子力事業全体では燃料やメンテを軸に好調」と説明してきた。今回の減損もWH単体にとどめ、連結決算に反映する必要はないとする。その会計方針は妥当なのか、会計評論家の細野祐二氏に聞いた。
──WHののれんの減損が今になって公表されたが。
東芝としては、WHが転んでも、原子力事業全体が転ぶことにはならない、と言っている。だが、なぜWHの減損が親会社の連結決算から抜けてしまうのか、これはおかしい。子会社の事実を修正仕分けで消したわけだ。
──そこまでして減損を隠したがる理由があると。
WH買収時に発生した東芝ののれんは約4000億円(WH自身ののれんは2000億円)。ほかにランディス・ギア(スイス)など、東芝が過去に買収した会社ののれんなども、数千億円ある。これらで計1.1兆円になる。
今の東芝の財務力ではとてもすべてを減損できない。株主資本合計は1兆円超。(収益悪化で減損を迫られ)債務超過になれば、繰延税金資産に計上した約4000億円の税効果会計も適用されない。
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