2008年度以降、合計1500億円もの不正な利益のカサ上げを行っていた東芝。企業の責任はもとより、チェック機能である外部監査のあり方にも目を向けられるべきだろう。今回の問題を受けて、調査に着手している日本公認会計士協会。森公高会長に聞いた。
──東芝の会計不祥事をどのように受け止めているのか。
そもそも財務諸表監査には、企業による財務諸表の作成責任と監査人による監査意見の表明という「二重責任の原則」がある。資本市場の信頼性を確保するうえで、企業だけでなく、情報の信頼性を担保する監査が十分だったのか、両方の観点から見ていかなければならない。
上場企業の中で委員会設置会社の形を率先して採用し、ガバナンスで見本的な立場だっただけに、今回の会計不祥事は非常に残念で、こうした問題が起きたことは遺憾に思う。
──日本公認会計士協会の監査業務審査会(審査会)で行っている新日本監査法人の調査の進捗は?
7月21日に、調査をすでに始めていることを発表した。その後、いろいろな情報収集、分析を行っている。ただ、東芝の財務数値が確定するまでは、監査人としての責務を全うすることをお願いした。
深度のある調査は、有価証券報告書と過去の訂正報告書が出た後からだ。第三者委員会の報告書は重要な情報として扱うが、そのまま審査会の判断につながるわけではない。
──だが、一般的に審査会の調査は1年ほどかかる。
今回は特別な対応だ。監査の妥当性の判断とは別に、監査の判断でどのような点が難しかったのか、調査過程で出てくるだろう。これを放置するつもりはない。ほかの会員(会計士)の対応が遅れることのないよう、会計基準の適用や、企業の内部統制に対する留意点などがあれば、なるべく早く周知していきたい。
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