東芝の不正会計問題を受け、米国ではクラスアクションが6月4日に起こされた。これは、法律問題または事実問題を共通にする多数の者から成る観念的なクラスを代表して、その中の典型的な立場にある誰かがクラスの構成員全員を代表して原告となり提訴、判決はクラス全員に及ぶ制度だ。
東芝の株式(預託証書)は、米国の店頭市場で取引されているため、米国で裁判となる。請求原因は、東芝が公開した財務諸表中の虚偽記載もしくは誤解を招く記載または重要事実の欠落等。株主代表訴訟ではなく、米国連邦証券法10bー5に基づく請求である。米国ではここ10年ほど、平均して毎年220件程度のクラスアクションによる証券訴訟(集団証券訴訟)が起こされている。監査法人が共同被告になるケースもある。訴状でクラスの範囲を米国で取引した者に限っていないため、日本で東芝株を買った米国人や日本人も米国のクラスに含まれる可能性がないとはいえない。現にフロリダの弁護士が、都内の法律事務所とタイアップして、日本の金融商品取引法に基づく請求をする原告の候補を募っている。
まず裁判所は、当該訴訟がクラスアクションによるべきか(クラスの認可の可否、クラスの範囲、クラス代表者の選定)を審理するが、そのためのディスカバリー(証拠開示手続き)が実施される。この手続きにおいて、東芝から株主の名簿が開示されると思われる。
日本の投資家にも、クラスから離脱する旨の意思表示をしなければクラスに含まれる旨の通知が送られてくるかもしれない。当然、クラスの範囲によって請求額は大きく変わってくる。クラスの認可・範囲の決定までに1年はかかるだろう。しかも、昨年6月の連邦最高裁判決により、クラス決定の段階で、個々の投資家が開示資料に依拠していない旨の反論を被告側が行えるようになったのも時間がかかる要因である。
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