作家、明治学院大学教授 高橋源一郎氏に聞く 『ぼくらの民主主義なんだぜ』を書いた

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朝日新聞に月1回連載された論壇時評に加筆して新書化。課題の解決に必要な柔らかい思考がとらえる「ぼくらの民主主義」とは。

ぼくらの民主主義なんだぜ (朝日新書)
ぼくらの民主主義なんだぜ (朝日新書)(朝日新聞出版/256ページ)書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします。

──論壇時評の4年分48本を1冊にまとめました。

今まで、論壇時評の担当の最長記録は3年半。この4月で4年を超えて、それを上回った。最初から材料として論壇誌にこだわるつもりはなく、その時々にみんなの関心があることで意味があるものを取り上げるスタイルで、ずっとやってきた。

──始まりが2011年4月。

いきなり3.11。あれだけの大きな出来事から始まり、ある意味で見切り発車だった。掲載が毎月最終木曜日の朝刊で、締め切りは事実上月曜の明け方。土日が使える。準備こそもっと前からやっているが、極端なことを言ったら日曜日に何かあればそこまでは入る。

──テーマ選びはどのように。

以前だったら1年に1回あるかどうかの大事件が、今では毎月のようにある。それによって大きな「G(重力)」がかかって日本という列車は脱線しそうで、書くべきことはいろいろある。その中からいちばん大切と思われるものをテーマに選ぶ。心がけたのは1回ごとにまとまった読み物にすることだ。脈絡なく並列するのはやめる。小説として書く文章より細部まで丁寧に書いている。点の打ち方、改行、語句の直しを最後まで妥協しない。一つの作品に仕上げてやろうと思ってやっている。

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