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ライフ #生涯現役の人生学

品性のいい人・悪い人 「それを言っちゃあおしまいだよ」

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川島雄三さんの監督映画『花影』の中で、女性主人公が次のようなことを言ったのを覚えている。

「男の人には“品性の人”と“品行の人”とがある。品性の人は品行が悪くてもいいけど、品性の悪い人はどんなに品行がよくても嫌だわ」

映画を見たときは思わず「そのとおりだ!」と共鳴した。そしてこのせりふはずっと私の胸の中にある。だからといって私は会う人をすべてこのモノサシで区分しているわけではない。というより、年を取るに従ってこの区分がよくわからなくなってきたのだ。

この女主人公の区分によると、品行のほうは“善しあし”で分けているが、品性のほうはそうではない。「品性はすべて善である」と決め付けている気がする。品性にも善しあしの判断を要するのではなかろうか。あるいは私が映画を見たときも、女主人公は「品性がよければ品行が悪くても許せる」と言ったのかもしれない。でもそうなると余計、品性と品行の関係が麻糸のように絡んで、結局はこのせりふの意味が何が何だかわからなくなってしまう。

そこで私は近頃「品性のよさ・悪さ」で会う人を区分している。しかし「この人は品性が悪い」と思ったからといって絶交するわけではない。依然として付き合いは続ける。ただ心の中では「まったくおメエ(まえ)は品性が悪いな」と相手の顔を見ながら心の中でつぶやいている。私自身、自分の品性・品行について判断したことがないからだ。おこがましくて他人のことなんか言えない。

字引きを引いてみた。品性は「道徳的な面から見たその人の性質」とある。品行は「道徳的な面から見たその人の行い」とあった。「何だ」とちょっとがっかりした。映画の女主人公も“道徳的”に男を分類していたのかとつまらなくなった。

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