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ライフ #格差サバイバル術

「人間圏」はもはや100年もたない 日本の識者に聞く [地球システム]

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  • 松井 孝典 千葉工業大学 惑星探査研究センター所長 東京大学名誉教授
まつい・たかふみ●1946年生まれ。東京大学理学部卒、同大大学院博士課程修了。NASA客員研究員などを経て現職。専門は地球惑星物理学。(撮影:風間仁一郎)

政府は金額ベースで2%のインフレ目標を定めている。しかし私から見れば、貨幣はあくまでもバーチャルな尺度。インフレは貨幣の実質的な価値を減らしているだけだ。貨幣の価値を減らせば、右肩上がりの成長も可能かもしれない。

だが、地球全体から人類を俯瞰して見れば、何の変化もない。地球という枠組みで見ると、人類はすでに異常なまでに成長している。

人類は今から1万年前、狩猟採集から農耕牧畜へとライフスタイルを移行させた。つまり、動物を捕食したり木の実を採ったりと、地球からの恵みである生物を食べてエネルギーを得るのではなく、自力で畑を切り開き、家畜を飼育するようになった。地球からの恵みを待つまでもなく、地球表層の物質を直接コントロールできるようになったという点で、人類はほかの生物とは決定的に違う「人間圏」という構成要素を、地球上に作り出したといえる。

人間圏は1万年かけて少しずつ拡大してきたが、19世紀以降は異常なほどに急拡大した。産業革命を経て、人間圏がその内部に駆動力を獲得したからだ。石炭や石油などのエネルギーを利用して、物質の移動速度を上げられるようになった。

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