1月下旬。都内で開かれた相続セミナーは約100人の定員に対し、満員御礼の盛況だった。「相続税は今や“大衆税”です」。子世代である40~60代の受講者は、講師の話に熱心に聞き入った。
今年1月1日に相続税法が改正され、基礎控除が50年ぶりに引き下げられた。改正後の基礎控除は3000万円+600万円×法定相続人の数。たとえば夫が亡くなり、妻と子ども2人が相続人の場合、基礎控除は4800万円となる。
これまで、相続税といえば都心に住む富裕層に限られたものと考えられてきた。だが改正により、都内に一軒家を持っている標準的な家庭であっても、相続税の課税対象となる可能性が高くなった。
今年からかかる地域は千葉や埼玉まで拡大
税理士法人レガシィの試算によれば、一人親が死亡し、約50坪の一軒家と金融資産約2000万円を子ども2人が相続するケースでは、八王子や千葉、小田原(神奈川)、高尾といった駅周辺で、相続税が新たに課税されることになりそうだ(図表1)。改正後に初めて相続税がかかる場合の平均額は、200万円程度だという。
拡大する
これまでも相続税がかかっていた地域では、負担がさらに重くなる。前述の条件での相続税額は、恵比寿で3474万円から4314万円に、川崎(神奈川)で705万円から1233万円に、浦安(千葉)で32万円から368万円に上昇する。親が亡くなったとき自分が支払う相続税がいくらかを把握しておかなければ、想定外の資産取り崩しをすることになりかねない。
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